はるがいったら (集英社文庫)

はるがいったら (集英社文庫)

本屋を巡ってたら帯にひかれてしまって。
著者近影を見たらどうやら近くの大学を出てらっしゃるようだったので、親近感を覚えて、思わず購入。いわゆる表紙買いです。


ううん、なんとも感想が言いにくい^^;
多分私の中に感じるものがあったとするならば、それは私が同じように家で老犬を買っているから、だと思うのです*1
読後感は正直あまり良くない。それはハルがいなくなってしまったから、というよりは、登場人物に変化がないから。長く小説を読んできて、あまり登場人物に変化が見られないのはさびしい。劇的な変化じゃなくていいから、未来に続いていく何かが欲しかった。*2
後は全体的に散漫な印象。なぜかと考えてみると、やはりころころ視点が移動するせいかなあ…。わかるんだ、姉弟の話だから二人の側から物事を見ようとしてるのは。だったら視点を変えるにせよ、明確な軸が欲しい。この2人をつなぐのは、「ハルの介護」なんだろうけど、その軸がどうも弱い。もっとハルとのふれあいを印象的に描かないと他が生きない、と思う。

とつらつらと書きましたが、でも結局最後まで読まされてしまったので、何とも言えない、と。登場人物たちはお世辞にも良い人、ではないし、いらいらさせられることもあるんだけど、それでも等身大でありのままで、つい気に掛けずにはいられない、これって多分魅力的ってことなのかなあ?とも思わなくもない、かも。うーん、やっぱり感想が言いづらい

*1:ここまで重度の要介護犬ではありませんが

*2:いや、実際にはちょっとあったんだけどね、伝わらないというか…